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アルコール製剤とは?使用するメリットや安全な使い方について

アルコール消毒をハンドプッシュ

安全な料理を提供するには、食品や容器・調理器具の衛生管理(サニテーション)が重要です。ここでは、食品衛生において広く用いられるアルコール製剤のメリットや安全な使い方、注意点などについて解説していきます。

アルコール製剤を正しく使わなければ、期待した除菌効果は得られません。アルコール製剤を効果的に使用できるよう、この記事で使い方を押さえておきましょう。


アルコール製剤とは?

まず、アルコール製剤の成分や用途、種類について解説していきます。

そもそもアルコール製剤とは?

アルコール製剤とは、エタノール(アルコール)を主成分として、そこに添加物を加えた製剤です。安全性の高いアルコール製剤(食品添加物)なら、残留しても人体への影響を低く抑えることができます。

アルコールを消毒液として使用する場合、除菌効果が最も高いのは、濃度が70%程度のものです。アルコール製剤(食品添加物)はさらに添加物を加えることで、やや低い濃度でも除菌効果を維持できるよう工夫されています。

添加物には、おもにクエン酸・グリシン・乳酸・グリセリン脂肪酸エステルなどの食品添加物が使用されています。

用途

アルコール製剤は、サニテーション(衛生管理)の目的で広く用いられています。食品衛生におけるサニテーションでは、食中毒の原因となるような細菌などの除去・抑制が重要です。

アルコール製剤(食品添加物)であれば安全性の高い成分で構成されているため、調理器具や食品のサニテーションに適しています。

◇どのような形状のものがあるのか
食品衛生におけるサニテーションには、スプレータイプのアルコール製剤(食品添加物)が広く利用されています。スプレータイプにはトリガータイプとエアゾールタイプがあり、それぞれ異なる特徴があるため、組み合わせて使うと便利です。

トリガータイプのアルコール製剤には、以下のメリットがあります。
・使い方が簡単
・一度で広範囲に使用できる
・中身の詰め替えが可能

一方、エアゾールタイプのメリットは、以下の3点です。
・機械の奥のほうまで噴霧できる
・むらになりにくい
・逆さまの状態でも使用可能

なお、アルコール製剤(食品添加物)を食品の鮮度を保つ目的で用いる場合、製造時に食品へ練りこむ、包装前にガス状のものを噴霧するといった方法がおもにとられます。


アルコール製剤のメリット


アルコール製剤(食品添加物)をサニテーションに用いるメリットは以下の3点です。

安全性

アルコールは揮発性が高く、残留が少ないという特徴があります。
また、アルコール製剤(食品添加物)はそもそも食品添加物です。原料のアルコールもお酒と同じ成分のため人体への負担が少なく、安全性が高いこともメリットとして挙げられます。

簡便性

アルコール製剤はスプレーしたあと揮発するため、使用後にすすぎや拭き取りの必要がありません。使用する際の工程が少なく済み、誰でも簡単に利用できる点もメリットといえます。

トリガータイプなら一度で広い範囲に噴霧することもできて、より効率的です。速乾性アルコール製剤については、医療現場でも医療従事者に高く評価されています。

除菌力

アルコール製剤(食品添加物)は、エタノール(アルコール)を主成分として添加物を組み合わせることで、高い除菌力を発揮します。添加物の効果は、アルコール製剤のpH調整や効力増強といったものです。

例えば、有機酸を添加すると、pHが下がって酸性に傾きます。それにより、除菌効果が高まり、細菌芽胞の耐熱性を低下させて除菌しやすくなります。また、グリシンや乳化剤を添加すると、アルコール製剤の効力を増強する効果も期待できます。

アルコール製剤のpH調整や効力増強に用いられる代表的な添加物は、以下のとおりです。

・アジピン酸
・クエン酸
・クエン酸三ナトリウム
・リン酸
・リン酸塩類
・グリシン
・グリセリン脂肪酸エステル(中鎖脂肪酸のみ)
・グルコノデルタラクトン
・グルコン酸
・酢酸
・酢酸ナトリウム
・二酸化炭素
・乳酸
・乳酸ナトリウム
・コハク酸
・コハク酸一ナトリウム
・コハク酸二ナトリウム
・DL-酒石酸
・L-酒石酸
・DL-酒石酸ナトリウム
・L-酒石酸ナトリウム
・炭酸塩類
・フマル酸
・フマル酸一ナトリウム
・リゾチーム
・DL-リンゴ酸
・DL-リンゴ酸ナトリウム
・イタコン酸
・フィチン酸

アルコール製剤の安全な使い方


包丁とまな板へ消毒

食品衛生におけるサニテーションでは、特に洗浄・除菌の2つが重要です。ここでは、アルコール製剤(食品添加物)をサニテーションで利用する際の安全な使い方を解説します。

調理器具を洗うときの基本の使い方

調理器具にアルコール製剤(食品添加物)を用いる際は、まず調理器具を洗剤などできれいに洗浄することが大切です。アルコールは除菌効果に優れていますが、汚れを洗浄する効果はありません。

そのため、目に見える汚れがあるなら落としておく必要があります。逆に、汚れていないのなら洗浄の工程を省略することが可能です。

汚れを落としたら、清潔な布巾などで調理器具を十分に乾拭きします。調理器具が水に濡れた状態でアルコールを噴霧すると、アルコール濃度が低下し期待する除菌効果が得られません。

最後に、スプレーなどで調理器具にアルコール製剤(食品添加物)をまんべんなく吹き付けます。除菌には数分かかるため、噴霧後はすぐに拭き取らず、揮発するまで自然乾燥させるとよいでしょう。

器具ごとのポイント

包丁などの調理器具は、柄の部分までしっかりと除菌するのがポイントです。柄の部分の除菌は忘れがちなので注意しましょう。次に皿や容器は、表側だけでなく裏側まで除菌します。

作業台や器具台に使用する際は二次感染の防止のため、不要なものを置かないようにしましょう。除菌後の台には除菌された器具のみを置きます。

冷蔵庫やショーケースはあらかじめ中身を取り出しておき、庫内の水分を拭き取ってから、アルコール製剤(食品添加物)をまんべんなくスプレーしましょう。

アルコール製剤を使用する際の注意点

アルコール製剤を効果的かつ安全に使用するためには、以下の点に注意が必要です。

濡れた個所に使用しない

アルコール製剤を水に濡れた箇所に使用すると、アルコール濃度が低下して十分な除菌効果が発揮されません。使用前には水や汚れを十分に取り除きましょう。

火気・加熱に注意

アルコール製剤は、エタノール(アルコール)が主成分です。アルコールには引火性があるため、火気を近づけたり、みだりに加熱したりすると発火の危険性があります。

アルコール製剤の保管場所は整理整頓し、近くに火気や発火性・引火性のあるものを置かないよう気を付けましょう。また、中身を移し替える際には、容器に「アルコール製剤であること」「火気を近づけないこと」をラベルなどで記載して注意を促すことも大切です。

目に注意

アルコール製剤は安全性の高さに定評があるものの、目に入ると刺激を感じることもあります。使用時はできるだけ目に入らないよう注意しましょう。万一、アルコールが目に入って強い刺激を感じる場合は、すぐに大量の水で洗い流してください。

おすすめのアルコール製剤(食品添加物)3選

最後に、おすすめのアルコール製剤(食品添加物)を紹介します。

PS-2 アルコール製剤 5L パックスタイル 除菌 中性


アルコール製剤は、パックスタイルが販売している商品です。食品の品質保持やまな板の衛生維持などに適しています。添加物としては、グリセリン脂肪酸エステル・グリセリン・乳酸ナトリウムが使用されています。また、中世のため安心して使用することができます。

詳しく見る

ワイドスキッシュスプレー付 1L


ワイドスキッシュは、花王が販売するアルコール製剤(食品添加物)です。pHは中性のため食品の風味を損なったり、調理器具が錆びたりといった心配がありません。添加物としては、グリセリン脂肪酸エステルが使用されています。

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ニイタカ セーフコール75 17L アルコール製剤


セーフコール75は、ニイタカが販売するアルコール製剤(食品添加物)です。除菌効果の高い濃度のエタノールに有効成分を加えており、食品の品質保持や食器・調理器具などの除菌が可能です。添加物には、グリセリン・グリセリン脂肪酸エステル・クエン酸ナトリウム・乳酸が使用されています。

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まとめ
アルコール製剤とは、エタノール(アルコール)を主成分として、そこに添加物を加えた製剤です。食品衛生の分野では、安全性の高いアルコール製剤(食品添加物)がサニテーション(衛生管理)に用いられています。

アルコール製剤(食品添加物)をサニテーションに用いるメリットは、安全性・簡便性・除菌力の3点です。洗剤などを使ってきれいに掃除したあと、十分に乾拭きし、アルコール製剤(食品添加物)をむらなく噴霧するという手順を守ると、安全に使えるでしょう。

使用する際は、十分な除菌効果が得られるよう、濡れた箇所に使用しないことが大切です。また、安全に使用するために火気や加熱を避け、目に入らないように注意してください。
この記事で紹介した使い方や注意点などを参考にして、アルコール製剤を効果的に使用しましょう。



この記事を書いた人

古澤 長流(ふるさわ たける)

古澤 長流(ふるさわ たける)

2018年折兼に営業職として入社し、名南営業所に配属。
現場経験を積んだのち、2019年に折兼ホールディングスの衛生管理グループに異動・転籍。
日々、衛生について勉強中。
大学時代は病原菌について研究していたので、学んだことを生かして食の安全に役立つ記事を執筆していきます!

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