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アルコール消毒の効果とは?メリットや正しい使い方を紹介

手に消毒をする

さまざまな店舗や施設の出入り口に、多く見かけるようになったアルコール消毒剤。感染症の感染予防対策として、アルコール消毒剤に関心を持ち始めた人は多いのではないでしょうか?しかし、正確な知識を持っている人は意外と少ないようです。

ここでは、アルコール消毒の効果・正しい使い方・メリットなどを紹介します。適切な方法を実践すると、今より高い消毒効果を得られるかもしれません。ぜひこの記事で正しい知識を学んでください。


アルコール消毒は本当に効果があるのか

アルコール消毒は、MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)などの細菌、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)などのウイルスなどに対して有効です。感染症に対して敏感になりがちな時期には救世主的存在のアルコールですが、実はアルコール消毒が効きにくい細菌やウイルスが存在することを知っていますか?ここでは、アルコール消毒の効果をみていきます。

細菌への効果

一般的にアルコール消毒は細菌に対して効果が高く、秒単位など短時間での除菌が可能とされています。
しかし、一部の芽胞を形成する細菌(食中毒の原因となるウェルシュ菌・ボツリヌス菌など)に対しては、芽胞の状態でのアルコール消毒は効果がありません。

芽胞は、菌を包み増殖させないようにする構造物で、アルコール消毒のほか加熱しても菌は死滅しません。しかし、芽胞が発芽する“栄養型”と呼ばれる状態になれば、アルコール消毒によって菌の増殖を防ぐことができます。

ウイルスへの効果

ウイルスに対するアルコール消毒の効果は、細菌と同様、ウイルスの構造によって違いが出てきます。ウイルスには、エンベロープと呼ばれる脂質性の膜を持つものと、持たないものが存在し、エンベロープを持つウイルスは、その膜によって守られています。

エンベロープはアルコール消毒によって破壊され、ウイルスは感染力を失います。つまり、アルコール消毒はエンベロープを持つウイルスに効果を発揮するのです。
このタイプのウイルスには、インフルエンザウイルス、ヘルペスウイルス、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、そして新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)などがあります。

なお、厚生労働省では新型コロナウイルス対策に、濃度70%以上95%以下のエタノールを用いることを推奨しています。

一方、エンベロープを持たないノロウイルス・A型肝炎ウイルス・ロタウイルスなどは、アルコールが効きにくいといわれていますが、完全には無効ではないという見方もあります。このようなウイルスには、アルコール消毒を用いて30秒以上接触させることで効果が期待できることがわかっています。

アルコール消毒の種類

アルコール消毒剤に種類があることを知っていますか?市販されているアルコール消毒剤の成分表示や、裏側に小さい字で書かれている文言にフォーカスしてみると、製品に違いがあることがわかります。ここからは、アルコール消毒の種類を紹介します。

アルコール消毒は2種類ある!

消毒を目的として使われているアルコールにはエタノールとイソプロパノールの2種類あり、エタノールのほうが広く使われています。
その理由は、イソプロパノールはエタノールに比べて一部のウイルスへの効果が弱かったり、脱脂作用の強さから手荒れしやすかったりする点が挙げられます。

消毒用エタノールの分類

消毒用エタノールは法的に、第3類医薬品・指定医薬部外品・雑貨品などに分類されます。これらは、エタノール以外に入っている成分やクリアした基準、登録の内容などによって分けられています。

第3類医薬品・指定医薬部外品

薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律/旧薬事法)に基づいて制定された品質などの基準を準拠し、厚生労働省の認可を受けたもので、「消毒」や「殺菌」という表現が許可されています。
第3類医薬品、指定医薬部外品における「消毒用エタノール」と謳えるエタノールの濃度は、76.9~81.4 vol%とされています。

雑貨品

薬機法が定める第3類医薬品や指定医薬部外品に該当しないものが雑貨品にあたります。
現在は新型コロナウイルス感染予防の特例措置として、濃度60~83vol%等の要件を満たしたものが消毒にも使用可能です。
しかし、雑貨品にはエタノール濃度を表示する義務がないため、実際には60 vol%未満でも“除菌用”として販売されているものも少なくありません。そこで、消毒に使えるものかどうかの見分け方を3つ紹介します。

<正しいアルコール消毒の手順>

  1. 商品パッケージにエタノール濃度の表示がある
  2. 「本製品は医薬品や医薬部外品ではありませんが、消毒用エタノールの代替品として、手指消毒に使用することが可能です」などの文言がある
  3. 「火気厳禁」と表示されている(濃度67.7 vol%以上のエタノールには「火気厳禁」の表示が義務づけられているため)

これらの表記がない場合、消費者目線では自分で判断することができません。きちんとした消毒用のエタノールを入手したい場合は、上記に該当するものを見つけて購入するほうが確実です。

アルコール消毒をする4つのメリット


手にアルコール消毒をする様子

アルコール消毒にはどのようなメリットがあるのでしょうか?ここからは4つのメリットを紹介します。

手指を消毒することで感染症や食中毒の予防に

感染症は、人の手を介して病原体が体内に侵入することが多いといわれています。
また、食中毒も同様で、おもに人の手を介して、微生物に汚染された食品を食べることで発生しています。

手指に付着した微生物や病原体を取り除くことができるアルコール消毒は、感染症や食中毒の予防に効果的です。

石けんよりも除菌効果が高い

アルコール消毒には、優れた殺菌効果と除菌効果が知られており、除菌効果は、石けんによる手洗いよりも、5~50倍ほども高い効果を発揮します。

しかし、アルコールには石けんのような洗浄力はありません。目に見えるような汚れがある場合は、まず石けんと流水で汚れを落としてから、アルコール消毒を行なうのがおすすめです。

揮発性があるので拭き取る必要がない

アルコール消毒剤は20~30秒程度で揮発するため、使用後に水で洗い流すことや拭き取ることは不要です。また乾いたあとにべたつかないのも魅力の一つです。使用感の良さは大きなメリットでしょう。

時間や場所を選ばずに消毒できる

アルコール消毒剤は水で洗い流さなくても良いため、いつでもどこでも使用できるメリットがあります。最近は店の出入り口などでもよく見られるようになっていますが、より入念な使用を望む場合は携帯用のアルコール消毒剤を持ち歩くのもいいでしょう。気になったときにすぐに使えて便利です。

アルコール消毒の正しい使い方

新しい日常として定着してきたアルコール消毒ですが、正しい使い方を知っていますか?実は“知っているつもり”になっている人が多いようです。ここで紹介する正しい使い方を参考に、今一度自分のアルコール消毒の仕方を振り返ってみてください。

手指を消毒するときはポンプを下まで押し切る

消毒効果を十分に得るには、アルコール消毒剤のポンプをしっかり下まで押し切ったときに出る量が必要です。

実は手指についた細菌・ウイルスを除去するには、細菌・ウイルスとアルコールが30秒以上接触していることが必要です。この時間が短いと、十分な消毒効果を得られません。
もしアルコール消毒剤を15秒以上すりこめないようなら、薬液を追加して再度手指に塗り広げましょう。

手指消毒用に販売されているアルコール消毒剤には、肌荒れを防ぐために肌を保護する成分がプラスされているものが多くあります。手指の消毒用には良いものの、これを物品に使ってしまうとべとべとしたり滑りやすくなったりしてしまいます。そのため、アルコール手指消毒剤は、物品の消毒には使わないようにしてください。

アルコールは強くこすらず、まんべんなく塗り広げる

アルコール消毒剤は、手全体にまんべんなく広げるイメージで使うのが正解です。ごしごしと強くこすっている人も見かけますが、強くこするとかえって菌の数が増加するというデータもあります。乾燥したのにさらにこすり続けるのもNGです。こすりすぎると手にいる常在菌が浮き上がってくるため、菌が増加してしまいます。

<正しいアルコール消毒の手順>
  1. 十分な量の消毒液を手のひらにとる
  2. 両手の手のひらをすり合わせる
  3. 指先を逆の手のひらでこする(両手)
  4. 手の甲を逆の手のひらでこする(両手)
  5. 指を組んで、指の間をこする
  6. 親指を逆の手で握り、くるくる回すようにしてこする(両手)
  7. 手首を握るようにしてこする(両手)
  8. 乾くまでこする

見落としがちなのが、指の先です。特に指の先、爪の下には多数の菌が存在しているため、指先にもアルコール消毒がいきわたるように心がけましょう。

物品を消毒するときは十分な量のアルコールを使い、すぐに拭き取らないようにする

アルコールは物品の消毒にも使えます。このとき重要なのが十分な量を使うことと、拭き取り方です。十分な量とは、塗り広げたときに20秒以上は乾かないくらいのこと。物品の表面で、菌とアルコールがしっかりと接触する時間を作ることで、消毒効果を得られます。

塗り広げるときや拭き取るときは、一方向が基本です。同じ場所を往復せず、ウイルスを拭き取るイメージで行なうと良いでしょう。

表面にオイル仕上げが施されたテーブルやワックスをかけた床でアルコールを使うと塗布したワックスなどがはがれる可能性があります。また、革製品などは変色やシミになる可能性があるため、アルコール消毒はおすすめできません。

アルコールが使える物品でも、濃度が高いものを使うと、ツヤが失われたり塗料が剥げてしまったりこともありえます。目立たない場所で試してみるなどしてから使いましょう。

まとめ
細菌やウイルスなどの消毒に効果的なアルコールは、新型コロナウイルスの流行を機に日常的に使われるようになってきました。アルコールは、消毒・除菌力の高さや使いやすさなど多くのメリットがあり、日頃から家庭に常備しておくと安心です。

容器スタイル』では消毒用アルコール商品を数多く取りそろえています。店頭ではなかなか購入できない大容量タイプもあるため、ストックしておきたい人にもぴったりです。アルコール消毒剤を正しく使って健康を守りましょう。



この記事を書いた人

古澤 長流(ふるさわ たける)

古澤 長流(ふるさわ たける)

2018年折兼に営業職として入社し、名南営業所に配属。
現場経験を積んだのち、2019年に折兼ホールディングスの衛生管理グループに異動・転籍。
日々、衛生について勉強中。
大学時代は病原菌について研究していたので、学んだことを生かして食の安全に役立つ記事を執筆していきます!

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