
この記事は、食品容器・資材専門の通販サイト「容器スタイル」が監修しています。
ケーキや生ものなどを持ち運ぶ時に必要な保冷剤。
冷凍庫で簡単に凍り、何度も繰り返し使用できる利便性から、「いつか使うだろう」とご自宅に保冷剤を溜めている方も多いと思います。
今回は、保冷剤をより効果的に使用していただけるよう、保冷剤の仕組みや種類などの基礎知識、
おすすめの保冷剤までご紹介します。
保冷剤の仕組み
まず初めに、保冷剤が冷える仕組みをご存知でしょうか。
保冷材の中身のジェルは、水と少量の高吸水性ポリマーでできています。
高吸水性ポリマーは、水を吸収して固めるため、市販の紙おむつにも使用されています。
水と高吸水性ポリマーでできたジェルは、氷よりもゆっくり溶けるという性質を持つため、保冷剤に適しています。
凍った保冷剤は、氷(個体)から水(液体)に変化する時に、熱エネルギーを使います。
個体から液体のように物質の状態が変化することを「相変化」といい、相変化する時に周りの熱エネルギーを利用して、分子結合を緩めます。
その熱エネルギーは分子結合を緩める際に全て使われるため、相変化中は保冷剤自体の温度は上昇せず、冷たさをキープできます。
そのため、保冷剤を入れたボックスや保冷剤の下に置いた物体の温度も維持することができます。
保冷剤のタイプ
保冷剤は、大きく分けて2種類あります。
ビニール袋に入った「ソフトタイプ」と、プラスチックの容器に入っている「ハードタイプ」です。
また、ビニール袋に入ったソフトタイプには、表面がビニールになっているものと不織布になっているものの2種類があります。
一般的にはビニール袋の保冷剤が多いですが、不織布袋の場合は「保冷剤の表面に結露の水滴が出にくいため、食品が濡れずに衛生的」という利点があります。
次に、ソフトタイプとハードタイプの特徴をご紹介いたします。
ソフトタイプ
ソフトタイプの特徴には、
- 軽くてコンパクトなので、持ち運びしやすい
- 夏場のお弁当など、普段使いしやすいサイズ感
- エコバッグやクーラーボックスの隙間に入れることができる
- ピンポイントで保冷できる
- すぐにぬるくなってしまうが、再凍結時間が短い
といったものがあります。
真夏以外のアウトドアや、軽量重視、短時間の保冷におすすめです。
ハードタイプ

ハードタイプの特には、
- 形が変形せず、丈夫で壊れにくい
- 長時間保冷力が持続する
- 再凍結に時間がかかってしまう
- 重くてかさばる
といったものがあります。
耐久性があり、保冷時間も長いため、キャンプや野外イベントなどのアウトドア向きです。
保冷剤の寿命や捨て方は?
半永久的に使えそうな保冷剤。しかし、保冷剤にも寿命があり、捨て方にはルールがあります。
ソフトタイプとハードタイプで寿命は違う
寿命は、ハードタイプよりもソフトタイプの方が短いと言われています。
その理由は、「ソフトタイプはビニール袋や不織布袋が使われているため、何かの衝撃で袋が破れてしまうことがあるから」です。
長く使うためには、外側の袋を傷めないようにしましょう。
一方、ハードタイプはプラスチック容器に入っているため安心かと思いきや、「見た目や感触で粘度が低下している」と感じる場合には、経年劣化によって保冷力が衰えている可能性があります。
その際は、新しい保冷剤を購入しましょう。
保冷剤の寿命を縮めないためには、直射日光が当たることや高温になる場所を避けて、冷凍庫で保管することも重要です。
保冷剤の捨て方は?
一般的に、保冷剤は可燃ごみとして捨てることができます。
保冷剤の中身はほとんど水分ですが、排水口やトイレに流してしまうと、「高吸収性ポリマーが排水管の中で水分を吸収し、詰まってしまう恐れ」があるため、中身を出さずに捨てましょう。
また、保冷剤タイプによって自治体での捨て方が異なる場合があるため、ご自身の住んでいる自治体のHPを確認し、ルールに従って捨てましょう。
保冷剤は有害?口に入ってしまっても大丈夫?

保冷剤の中身には、「高吸収性ポリマー」が入っており、自重の200~1,000倍の吸収力があります。
現在の保冷剤は、万が一誤飲しても人体に害のない成分が使われていますが、体内の水分を吸収してしまうなど、必ずしも安全とは言い切れないため、特にお子様やペットがいるところでの使用には注意が必要です。
少量であれば問題ないとされていますが、もし食べてしまった場合は、念のため病院で診てもらいましょう。
保冷剤の保冷時間
ケーキ屋さんなどで、「お持ち帰り時間はどれくらいですか?」「保冷剤をお付けしましょうか?」と聞かれたことはありませんか?
無料でつけてくれる保冷剤は、一般的には1つ30分程度の保冷時間で計算されており、多くのお店では最大4つ、2時間分までつけてもらえます。
しかし、保冷剤の個数を増やしても、延々と保冷時間が長くなるわけではありません。
小さい保冷剤であれば30分から1時間、大容量のものやハードタイプでは5時間以上保冷できるなど、保冷剤の大きさやタイプによっても保冷時間は異なりますし、当然夏場と冬場では溶けきるまでの時間が変わってきます。
保冷時間を出来るだけ伸ばすには、外気の熱を遮断し冷気を溜めることができる「保冷バッグ」や「クーラーボックス」を併せて使うことも効果的です。
ここからは、保冷時間別におすすめの保冷剤、また保冷剤をより効果的に使用するためのグッズをご紹介いたします。
保冷時間別おすすめの保冷剤
保冷時間別・タイプ別でおすすめの保冷剤をご紹介します。
保冷時間:1~2時間
保冷剤 キャッチクール F-30 不織布 トライ・カンパニー

コンパクトな不織布の保冷剤です。
不織布の場合、保冷剤の表面に結露の水滴が出にくいため、食品が濡れずに衛生的です。
スノーパック アンティーク保冷剤

洋菓子店のサービス箱や包装紙等で人気の英字柄をデザインに取り入れた、おしゃれな保冷剤です。
他店との差別化を図ることができます。

スノーパック・Sシリーズは、冷やすと透明からスノーカラーに変わり、保冷効果が一目で分かります。
外装フィルムは抗菌仕様、キラキラ輝くクリスタル感がおすすめポイントです。

積み重ね可能な形状で、耐久性に優れたプラスチック容器タイプ。
-35℃以下の冷凍庫で、効率よく凍結を行うことができます。
ピンク、グリーン、ブルーのカラーとS,M,Lのサイズからお選びいただけます。
保冷バッグや断熱効果のある箱で保冷剤をさらに効果的に使う
保冷剤の持ち時間を長くするためには、保冷バッグや発泡スチロールの箱、クーラーボックスを使用しましょう。
外に冷気を出さず、外気の熱も遮断することができ、中の食材も守ってくれます。
保冷剤の冷たい空気は上から下に移動するため、保冷剤は保冷バッグの高い位置に設置がおすすめです。
大きめのクーラーボックスなどは、上に保冷剤を置いても下まで冷気が届かない可能性があるため、底面や壁面に保冷剤を追加しましょう。凍らせた飲み物や冷凍食品でも代用できます。
容器スタイルおすすめの保冷バッグをご紹介いたします。
保冷バッグ パール金属 デリス シルバーソフトクーラー6L

持ち手が長く、持ち運びに最適な保冷バッグです。
使用後は折りたたんでコンパクトに収納可能。
500mlPETボトルが約6本入る大きさです。
三甲 発泡素材コンテナ EPボックス#11

優れた保冷・保温機能を持った発泡ボックスです。
蓋は別売りです。
エペランという、発泡スチロールと比較して欠けが発生しにくく、しなやかで曲げても割れにくい素材を使用
しています。
保冷バッグ パール金属 シエロ クーラーボックス30(ブルー)

2lPETボトル:8本。
ワンプッシュで開閉する保冷バッグ。
フタは取り外し可能で、簡易テーブルとしても使用できます。
まとめ
暑い季節に、食材の持ち運びには欠かせない保冷剤についてご紹介いたしました。
保冷剤の知識を深めていただけましたか。
家に眠っている保冷剤を出してみて、袋の素材や大きさ、まだ使用可能かどうか確認してみましょう。
この記事を書いた人
長谷川 博俊(はせがわ ひろとし)

長谷川 博俊(はせがわ ひろとし)
2019年折兼に営業職として入社し、名古屋支社に配属。
現場での営業経験を積んだのち、2022年に通販事業部に異動。
通販MDとして容器スタイルの掲載商品数増や、名入れスタイルの顧客対応をしています。
MDとして培った商品知識を生かした記事を執筆していきます。
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